風疹の合併症や妊娠時の感染が原因で発症する「先天性風疹症候群」

ウイルス感染症のひとつである「風疹」。合併症や妊娠時の感染が原因で発症する「先天性風疹症候群」について書いてます。

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風疹の重篤な合併症

かつては数年おきに大流行した「風疹」。現在はワクチンの定期接種で大きな流行はみられなくなりました。

しかしながら、2013年には、1万4000人がかかりました。わかっている数だけなので、実際にはもっと多かったかもしれません。このときに風疹の特徴は7割以上が男性で、20~40歳代が8割を占めるという特徴がありました。

「風疹」は咳やくしゃみなどの飛沫に含まれるウイルスから感染する飛沫感染が主な感染経路で、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによって接触感染することもあります。

感染すると2週間から3週間の潜伏期間の後、発熱や全身の淡い発疹、耳の後ろやリンパ節の腫れなどの症状が出ます。ほとんどの場合、3日程度で症状が治まってくるので「3日はしか」とも呼ばれています。

一般的に子供よりも大人の方が症状が強く長引くことが多いです。中には自覚症状がないまま治まる人もいます。(不顕性感染:ふけんせいかんせん)

それで風疹にかかった記憶がないのに抗体を持っている人がいます。症状が軽すぎて親も気づかなかったというケースです。

兄弟が多かった昔は、明らかな症状が出ていない限り3日くらいであれば気づかないのも仕方なかったかもしれません。

気づかないうちに治っていたという場合もあれば、ごくまれに血小板減少紫斑病(※1)、脳炎(※2)などの重篤な合併症を併発することがあります。風疹といえど注意が必要です。

(※1)血小板減少紫斑病
免疫の異常により血を止めるのに必要な血小板が減少して、出血しやすくなる病気です。

(※2)脳炎
脳炎は、脳の炎症性疾患の総称。急性脳炎は脳実質に生じた炎症によって、発熱、頭痛、意識障害、麻痺などの急性症状を呈した状態をさします。麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜ、突発性発疹など、ウイルス感染に引き続いて起こります。

風疹は妊娠している女性がかかると危険

特に気をつけなければならないのが妊娠中の風疹感染です。妊娠した女性が風疹に感染してしまうと、おなかの赤ちゃんにも感染してしまい、赤ちゃんが病気を持って生まれる可能性があります。

妊娠初期(12週くらいまで)の女性が風疹にかかると、生まれてくる子どもに難聴や白内障、低出体重、動脈管開存症(※3)などの心臓奇形などが見られることがあります。この病気を「先天性風疹症候群」と言います。

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妊娠20週を超えるとこのような症候群になる可能性は減りますが、だからといって可能性がゼロになるわけではないので注意します。風疹にかかったことがなく、予防接種も受けたことがない場合は可能な限り人混みを避け不要な外出をしないようにします。

先天性風疹症候群に最も有効なのは、風疹ワクチンの予防接種です。基本的に妊娠中は接種できませんが、妊娠中の女性がいる家庭では、家族が予防接種を検討する必要もあります。

(※3)動脈管開存症
動脈管は、赤ちゃんが母親ののお腹の中にいる時に、肺動脈から大動脈への抜け道になっている血管のことをいいます。赤ちゃんが生まれてから肺で呼吸をしはじめるとこの抜け道は必要がなくなり、生後2~3週までに完全に閉じてしまいます。この動脈管が自然に閉じずに残っているものを動脈管開存症といいます。

妊娠している女性が風疹にかからないために

1977年8月から95年3月までは、中学生の女子のみが風疹ワクチン定期接種の対象者でした。現在の予防接種は「麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン)」を定期接種として2回することになっています。

2回の接種を行うことで十分な免疫力を定着されることができます。1回目が1歳児で、2回目が小学校入学前の幼児(6歳になる年度)です。

この期間の接種は、公費負担を受けることができるので基本的には無料、あるいは若干の自己負担で済みます。この期間外に任意で接種する場合は自己負担になります。

2014年度の国の調査では20~40歳代の男性の13.7%、女性の3.8%が風疹の抗体を持っていませんでした。

風疹は1度かかると免疫ができるため、基本的には2度はかかりません。ただし、子どもの時に風疹にかかったと思っていても、記憶違いや他の病気であったという可能性もあります。

また、1979年4月2日から95年4月1日生まれの方は接種率が低くなっています。母子手帳などで接種を受けているかどうか確認し、受けたことがなければ予防接種を受けることをお勧めします。

あるいは、血液検査で免疫の有無を確認することもできます。先天性風疹症候群は、それ自体の治療法がありません。感染しないようにするのが一番よい方法です。

妊娠を考えておられる人や、その周囲の人が風疹の感染を予防することが最も大切です。たかが風疹と侮らず医療機関で確認しておくことで不要な心配や感染を避けることができます。

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まとめ

  • 風疹はごくまれに血小板減少紫斑病、脳炎などの重篤な合併症を併発することがある。
  • 妊娠している女性が気をつけなくてはならない「先天性風疹症候群」。
  • 風疹はかかったつもりでも免疫検査をするなどして自分自身が感染しない、あるいは他の人に感染させないようにする。

「3日はしか」と呼ばれているくらい症状が軽い風疹ですが、合併症を引き起こす場合もあります。特に妊娠中の女性の感染は深刻な問題を引き起こすことになりかねません。まず自分自身が感染しないようにすることが一番の回避方法であると思います。

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