美味しい紅茶の入れ方についてまとめました。硬水と軟水どちらがいいのか、リーフティとティーバッグそれぞれのいれ方、茶葉の種類と特徴、フルーツティーの作り方について書いています。
美味しくいれるコツは「ジャンピング」
紅茶をおいしくいれるコツはジャンピングです。ジャンピングとはティーポット内で茶葉が上下することです。これは、お湯に充分に酸素があることと、95度から98度のお湯という条件がそろった時に起こります。
お湯に浸った茶葉に目に見えない酸素の泡が付き、その浮力で茶葉が浮かび上がります。しばらくすると茶葉は水分を吸った重みで沈みますが、熱湯による対流に乗って再び浮かびあがっていきます。このジャンピングにより茶葉の一片一片がまんべんなくお湯に混ざり、味や色、香りがしっかりと抽出されます。
硬水と軟水、どちらがいいか?
水は含まれているミネラルの量によって硬水と軟水に分けられます。硬水はミネラルの含有量が多く、軟水は少ないです。一般的にヨーロッパでは硬水が使われていますが、日本の水は軟水です。軟水は紅茶のカテキンと化合して色が濃くなり、渋味や香りがマイルドになります。
一方、軟水は色が薄くなりますが、味が濃く出て香りも立ちやすい傾向があります。硬水か軟水か、どちらがいいのかは、飲む人の好みで使い分けます。
その上で大切なのは、酸素を多く含んでいる水を使うことです。水道水であれば、なるべく多くの酸素を含ませられるように、蛇口から勢いよく水を出すようにします。
その際、くみ置きの水ではなく、新鮮な水を使います。やかんやポットなどにくみ置きしておいた水は酸素量が少なくなっています。ミネラルウオーターの場合は、よく振って空気にふれさせ、酸素を取り込んでから使用するようにします。
ジャンピングに適した温度
ジャンピングが起こる熱湯の温度は95度から98度です。これは水中に酸素がぎりぎり残っている温度で、これ以上高くなると酸素は急激に無くなってしまいます。さらに紅茶の成分であるカテキンやカフェインは温度が90度以上でないと十分に抽出されません。
そのため、適温である95度から98度を見極めることが大切です。どのぐらいに沸かした状態がよいかというと、沸かしているお湯がゴボゴボを泡立ち、波打って飛び散る状態になったら、すぐに火を止めます。この状態が95度から98度くらいの温度です。やかんではなく、ポットでお湯をわかす際も、沸騰直前に加熱を止めるようにします。
茶葉の種類と特徴
- ダージリンファーストフラッシュ(春摘み)
ダージリンは、年に3回収穫され、その時期によって風味が異なります。ダージリンファーストフラッシュは、3月初旬から4月にかけて収穫された物で、心地よい刺激とさわやかな渋味があり「香りのファーストフラッシュ」といわれています。抽出後の色が淡いのでストレートティーに向いています。生産量が少なく市場価格は高めです。
- ダージリンセカンドフラッシュ(夏摘み)
味と香り、色のバランスが最も良い茶葉です。ダージリン地方で採れるセカンドフラッシュは「マスカットフレバー」と呼ばれる独特の甘さがあり「味のセカンドフラッシュ」といわれています。天然の上品な甘みが特徴です。1杯目はストレートティーで1杯目はミルクティーとして飲むのが最適です。
- ダージリンオータムナル(秋摘み)
コクのある渋味で強い個性があります。抽出後に香りはやや弱まりますが、色は濃いめになります。ミルクティーとして人気があります。
- アッサム
味は濃厚でコクがあり、深みのある渋さを持っています。ミルクとの相性がいいので、ミルクティーとして飲まれることが多いです。
- キーマン
中程度の渋味でマイルドな味わいで香りが特徴的です。抽出後の色も深い赤色でストレートティーやミルクティーでも楽しめます。
リーフティーのいれ方
- あらかじめ沸かしておいたお湯でティーポットを温めておきます。
- お湯を捨てティースプーンで「人数分+1杯」を目安に茶葉を入れます。
- くみたての新鮮な水を強火で沸かします。沸騰前の95度から98度で火を止めます。
- 熱湯を20~30センチ上から茶葉をめがけて勢いよく注ぎます。(やけどしないように注意します)茶葉が浮かんできたのを確認したら、ふたをします。
- ポットにティーコジーをかぶせて茶葉を蒸らします。(なければ厚手の布をかぶせても構いません)
- ティーステレーナーを使って茶葉をこしながらティーカップに注ぎます。
【蒸らす時間の目安】
- ブロークンオレンジペコ(2~3ミリに細かく刻まれた茶葉)
⇒3分
- オレンジペコ(1センチから1.5センチほどの長さで、茶葉そのままの大きさ)
⇒5~6分
※何杯かまとめて入れる時は、少しずつ、それぞれのカップに注いでいくと均等の濃さになります。
ティーバッグのいれ方
- ティーポットに95度から98度の熱湯を注ぎます。お湯の量は1人分が200~300ccです。
- 一人分につき1個のティーバッグを①に静かに入れます。
- ティーバッグを優しく2回ほど回して、しっかりとつけ込みます。抽出が始まるので、ふたをして待ちます。その際、紐を持ってゆらす必要はありません。
- 紅茶エキスの抽出が進んでいくと、ティーバッグは最初は沈み、だんだんと水面に浮かんできます。
- ティーバッグが浮かんできた時がちょうどいいタイミングです。さらに時間がたつと、もう一度沈みます。ミルクティーにする場合は、この時点でミルクを入れます。紅茶7に対してミルク3くらいの分量を入れます。
- ティーバッグが沈み始める前に、ゆっくりと紅茶をティーカップへ注ぎます。
ティーバッグで紅茶を入れる際は、先に熱湯を注ぎ、そこにティーバッグを浸すことが鉄則です。ティーバッグを先に入れ、その上からお湯を注ぐと、細かい茶葉がメッシュを通り抜けて、飲んだ時に舌の上に残り、ざらつきや渋味の原因になります。
お湯に浸っているティーバッグをスプーンなどでつついて沈ませるのもNGです。繊維質があふれ、えぐみが出てしまい、香りもなくなるので注意しましょう。
フルーツティーの作り方
新鮮な果物を加えることで香りや風味を楽しむフルーツティー。レモンティーが有名ですが、さまざまな果物で楽しめます。ティーバッグを使った簡単な作り方を紹介します。
まず、ティーポットの中にフルーツのスライスを折り曲げたり、少しつぶしたりして入れておきます。そこに95度から98度のお湯を300cc注ぎ、ティーバッグを入れて2分たてば完成です。また、7対3くらいの分量でミルクを入れれば、ミルクフルーツティができます。
【フルーツティーの分量】
- レモンティー
皮の部分を取り除いたレモンスライス1枚
- バナナティー
バナナの皮をむいて厚さ2~3ミリの輪切り2枚
- ストロベリーティ
いちご1個を半分にカットし、少し潰す
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まとめ
- 紅茶をおいしく入れるコツはジャンピング。
- 硬水か軟水かは、飲む人の好み。酸素を多く含んでいる水を使う。
- 茶葉は収穫時期によって味や香りが違う。
- リーフティーの入れ方は「人数分+1杯」を目安に茶葉を入れる。
- ティーバッグの入れ方はティーポットにお湯を先に入れてからティーバッグを静かに入れる。
- ティーポットの中にフルーツのスライスを折り曲げたり、少しつぶしたりして入れて紅茶を入れることでフルーツティが作れる。
いまでは日本人の生活にすっかり定着した紅茶ですが、アレンジもしやすいので楽しみ方が多いです。世界の紅茶が簡単に手に入るようになったお蔭で、どこにいても美味しい紅茶が飲めますね。