夏風邪のウイルスは冬に流行するウイルスと違う性質を持っています。それは、湿気と高温に強いという特徴です。今回は夏風邪に関係する2つのウイルスを取り上げてみます。
夏に流行る風邪の種類と感染経路
冬に流行するウイルスのインフルエンザは有名ですね。インフルエンザ以外の冬の風邪ではコロナウイルスと呼ばれる風邪のウイルスも最近知られるようになってきました。実は夏風邪にもウイルスが関係しています。それでは、夏風邪に関係するウイルスの種類と感染経路についてみていきましょう。
①アデノウイルス(プール熱)
アデノウイルスは子どもがプールで感染することが多いことから、プール熱とも呼ばれている感染症です。感染経路は感染した方のくしゃみによる飛沫感染が主な経路ですが、目をこすった手や服から感染することもあります。感染するとノドの腫れと痛みが強く、熱は38度以上の熱が5日程度は続きます。他に特徴的な症状に結膜炎があります。
②エンテロウイルス(手足口病)
エンテロウイルスは腸で増えるため、腸管ウイルスの仲間になります。エンテロウイルスに感染した場合手や足、口の中に水膨れの水疱ができるため手足口病とも呼ばれています。
感染経路は腸で増える特徴があることから、便によって広まります。他にも水疱の中にもウイルスがいるため、そのまま他の人に触れてしまうことでも感染が広まってしまいます。
症状は風邪に似た発熱やノドの痛みの後に水疱ができるのが特徴です。特に子どもの場合は髄膜炎や脳炎になり命を落とすこともあるため注意が必要です。
夏の風邪にかかったら
夏風邪といっても油断はできません。特に夏風邪は接触することで、他の人にうつりやすい特徴があります。
①悪化させないために
夏特有の暑さで水分が失われ脱水症状を起こしやすくもなります。風邪の症状が出たら、水分補給と休むこと、そして医療機関を受診して悪化を予防することが第一です。
②家族や周りにうつさないために
夏風邪を引いた方は周りの方にうつさない配慮が必要です。
- マスクの着用
- 鼻をかんだり目ヤニを拭いたティッシュは個別の袋にいれる
- 洗濯物も別にする
これらはアデノウイルスの目ヤニからうつりやすい特徴と、エンテロウイルスの水疱からうつりやすい特徴への対処になります。特にお子さんは自分の衛生管理が不十分ですので親御さんが代わりに管理してあげましょう。あるいはお父さんやお母さんが夏風邪を引いた時にも、面倒でも洗濯物は別にするのが大切です。
まとめ
夏風邪でも油断はできません。小さなお子さんは重症になって命に関わるものもあります。悪化させないための早めの医療機関の受診と、衛生管理を徹底し感染を広めないことが重要になります。