まりもといえば瓶や缶に入った状態で並ぶ、北海道でおなじみのお土産ですよね。ご存知の通り天然記念物であるまりもがお土産に並んでいるはずがありません。では、なぜお土産として売られているのでしょうか。まりもに関する疑問にお答えしますね。
まりもって?
まりもは水に住む植物の仲間、つまり藻の1種類と言われています。まりもと言われると、丸い緑色のボールのような形を思い浮かべますが、実は丸い緑色のボールになったまりもは1つの生き物ではなかったのです。
それはなぜでしょう?
実はまりもは糸状の固い藻の姿をした植物です。湖に暮らす糸状のまりもは波や風の影響でからまり合い、ボールのように丸くなる性質を持っています。
どれだけのまりもがボールのようになるかといいますと、ほとんどは糸状でボールのような形は珍しい程度。まりもはこの糸状が本来の姿で、緑色のボールのような形の方が「たまたま」その形になっただけということになります。
天然記念物のまりもとお土産のまりもの違い
日本国内でボールの形のマリモは北海道阿寒湖と秋田県獅子ヶ鼻湿原のみです。いずれのまりもも天然記念物であり、販売目的の採取は禁止されています。
それでは、お土産のまりもはどんなまりもなのでしょう?
- 丸めたまりも
まりもを丸める!?
聞いたことはありませんか?お土産のまりもは先ほどのお話しした、糸状のまりもを丸めたものになります。人口の波や機械でではありません。もちろん手作りです。
お団子のようにまりも工場のおばちゃんがコロコロと丸めてまりもを作っています。ですが、偽物ともいえませんよ。ボールの形のまりもは、自然のものも糸状のまりもが絡まったものですから。
糸状のまりもは国内では釧路湿原産のまりもが使われており、海外ではロシア産がよく使われるそうです。
- 養殖のまりも
丸めただけのまりもに比べ、養殖のまりももあります。こちらも糸状のまりもを丸めるまでは変わりませんが、丸める前の糸状のまりもが養殖されたまりもです。そして、丸めた後に水温や水流、光の量を整えて育てられます。
お土産のまりもを長く育てるには?
お土産のまりもは人工的に作られたものですが、決して無機質なおもちゃではありません。サボテンやエアプランツのような、頻繁に手入れをする必要のない植物です。最低限まりもが育つ環境は次の3つです。
- 日光
まりもは植物ですから、生きる上で日光は必ず必要です。ですが、直射日光は良くないと言われています。直射日光はまりもの体を痛めて、水温を上げてしまうからです。
- 水質
次に必要な環境は綺麗な水質です。阿寒湖、獅子ヶ鼻湿原は澄んでいて底の見える湖です。水槽や瓶が濁らないように10日に1回は水替えをしましょう。
- 水温
そして水替えは温度管理のためにも必要です。まりもに最適な水温は15℃前後と言われており、水道の蛇口から出る冷たい水と同じです。特に日当たりの良いリビングで育てているまりもは、水が緩くならないように注意が必要です。
まりもは水と光のみで育ちますが、成長を促す栄養剤のようなものも売られています。『マリモのごはん』『マリモのおやつ』などとありますが、植物用の栄養剤に近い成分であるとのことです。特に大きく育てたい場合や色を鮮やかに保ちたい場合に効果的ですよ。
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まとめ
まりものお話はいかがでしたか?まりもの生育地が身近にない方には、「まりもって手で丸めているの!」と驚かれたことでしょう。中でも丸めた後に養殖したまりもは品質が良いと言われていますよ。
お土産用のまりもは確かに手で丸めてはいますし、缶や瓶入りではありますが人工的なおもちゃではなく植物と同じ生き物です。水温と水質、日当たりの管理を行い大切に育てたいですね。