魚には多くの種類があります。同じ魚に見えるかもしれませんが、意外と大きな違いがあります。今回は魚の種類でも良く聞く、淡水魚と海水魚の違いについてお話しします。
淡水魚と海水魚の見分け方
淡水魚と海水魚の見分け方は色でわかります。熱帯に生息する海水魚の多くは、淡水魚に比べて色が派手な種類が多く、中には地味な魚もいますが、どちらかと言えばピンク・青・黄色、他の色を使っているので派手です。これとは逆に、淡水魚は地味な魚が多いです。
飼育店で見分ける場合は、水槽の中に砂利を使わずにサンゴ砂を使っている場合は、海水魚です。水槽の大きさでも見分けることが出来ます。海水魚は淡水魚よりもろ過に時間がかかる為、大きな水槽で飼育されていることが多いです。
飼育店では淡水魚と海水魚が一緒に飼育されていることはありえないので、分からない時はお店の方に聞いてみてください。
淡水魚と海水魚が暮らす水の塩分濃度について
魚は、海水でしか生きていけない海水魚と、川、湖、沼、池などの淡水でしか生きていけない淡水魚と、その両方で生きていける魚の3つに分類されます。
淡水魚と海水魚の違いは、水の塩分濃度によって決まります。魚の血液などの体液には、人間と同じく約0.9%の濃度の塩分が含まれています。淡水魚と海水魚の体液の中の塩分濃度に変わりはありません。
一方、海水魚が生きている海水の塩分濃度は約3.5%です。濃さの異なる液体が触れ合うと、同じ濃さを保とうとして移動し合います。これを「浸透圧」と言います。この浸透圧の関係で、水と魚の間で、常に水分の移動が行われています。
しかし、水分が魚に多く移動しすぎても体が膨れてしまうし、水に取られすぎてもしぼんでしまいます。そこで魚は、浸透圧による不都合を解消するためにエラ、腎臓、腸を用いてうまく調節する機能を兼ね備えています。しかし、この塩分濃度調節(浸透圧調節)機能が淡水魚と海水魚では全く異なった機能を持っています。
淡水魚の場合、腎臓では塩分を回収しながら、多量の薄い尿を作って、体内に侵入した余分な水を外へ排出します。腸から植物中の塩分を吸収すると共に、エラからも塩分を吸収しています。
海水魚の場合は、海水に触れ合うことによって脱水されようとしてしまう為、水を補給しなければなりません。水を補給するために、水を大量に飲んで腸から吸収し、余分な塩分をエラから排出します。
このように自分の身は自分で守るように体のつくりが出来ているのです。
淡水魚と海水魚を同じ水槽で飼う方法
普通の水では淡水魚と海水魚を一緒に飼うことは不可能ですが、淡水魚と海水魚が共存できる魔法の水があるそうです。それが「好適環境水」です。
淡水魚と海水魚の体液中の塩分濃度が同じことは上でもお話ししましたが、これがポイントになります。つまり、水の塩分濃度を魚の塩分濃度に合わせれば、共存することが出来るのです。その塩分濃度を合わせた水が「好適環境水」なのです。
ここ数年、テレビでも取り上げられている、注目の水です。どうやらまだ一般的に販売はされていないようですが、研究は確実に進んでいるようなので、近い将来、販売されることが期待できそうです。
まとめ
同じ水槽に様々な種類の熱帯魚を泳がせるととても綺麗ですが、淡水魚と海水魚を同じ水槽で飼うことは出来ないので、熱帯魚をはじめる際には気を付けてください。一般的に、海水魚は色鮮やかで見た目も綺麗なのですが、海水魚のほうが飼育するのが難しいと言われているので、初心者の方はまず、淡水魚から始めてみると良いと思います。どちらもメリット・デメリットがあるので、よく理解するところから始めてみてください。