長崎県長崎市の端島(はしま)は、全体像が軍艦に見えることから通称「軍艦島」と呼ばれています。2015年7月には、世界文化遺産に登録されています。
長崎港から約18キロの地点にあり、かつては炭鉱で栄えていましたが現在は無人島です。立ち入ることが出来るのは、事前に許可を得たツアー客のみと、厳しい条件になっています。建物の劣化が進み、近い将来、立ち入り禁止になってしまうかもしれないと言われています。そんな軍艦島について、紹介していきます!
軍艦島の歴史
軍艦島は明治時代に炭鉱として栄えていました。「島」といっても、もともとは小さな「瀬」でした。その小さな瀬が、何度も何度も埋め立てられて今のような「島」になりました。もともとは今の面積の3分の1ほどの大きさだったそうです。昭和49年に閉山し、現在まで無人島として存在しています。
軍艦島のはじまりは江戸時代の後期でした。軍艦島の元の姿である「瀬」で石炭が発見され、佐賀藩が細々と採炭していました。当時はまだ石炭が注目される時代ではありませんでしたが、明治時代に入ると石炭が脚光をあびることになります。
すると、三菱合資会社が投資を開始し、島と鉱区の権利を購入し、設備投資を開始し、大規模な海底採炭が始まりました。海底採炭が始まると同時に、労働者の数も増え、すると、人々が住むための住居なども狭い範囲にどんどん建設されました。狭い島に人口がどんどん増え、当時の日本でも人口密度は一番高かったそうですよ。
そして時代は進み、1960年代になると、主要エネルギーが石油へと移り変わりました。1970年代には、日本政府のエネルギー政策でとどめを刺されてしまい、ついに昭和49年1月15日に閉山しました。
軍艦島は映画のロケ地になっていた…?!
かつての繁栄をしのばせる廃墟の数々が残っている軍艦島は、まさに日常と非日常が混在した映画の世界にリンクする部分があるのでしょう。よって、様々な映画のロケ地やモデルとなっています。
実写版「進撃の巨人」
長崎県の観光連盟は、軍艦島での撮影について「老朽化が進む島内の建物が、巨人に襲われて荒廃した都市のイメージに近いのでは」とコメントしています。
私自身も「進撃の巨人」は漫画も読み、実写化された映画も見に行きましたが、漫画の中で登場人物が逃げ回る時に”壁”が沢山出てくるのですが、その”壁”が実写化された映画の軍艦島のシーンで見事に再現されていて、胸が高鳴ったのを覚えています。
廃墟と化した建物が見事に、敵から追われて隠れる恐怖感と臨場感を高めていました。実際に軍艦島に見に行きたいなぁ~と。思ったほどでしたよ。
「007スカイフォール」
安全上の都合で、俳優たちによる軍艦島での撮影はなかったそうですが、映画後半に出てくるデットシティと呼ばれる街は、軍艦島がモデルになっているそうです。ロケ担当者が軍艦島を訪れて撮影し、ロンドンのスタジオに軍艦島そっくりのセットを立てて撮影されたそうです。
軍艦島の立ち入り禁止区域には何があるのか…?
軍艦島内は、さまざまな場所が立ち入り禁止区域となっています。一体、立ち入り禁止区域には何があるのでしょうか?そして、どうなっているのでしょうか?
TBSで放送されている「クレイジージャーニー」という番組で、特別に軍艦島の立ち入り禁止区域を取材している放送回がありました。そこには、数々の廃墟と化した高層建物がありました。
なんと、7階建ての小学校の廃墟もありました。中には跳び箱や、黒板なども残っていました。人口が密集していたことがうかがえますね。そして10階建ての建物の屋上に幼稚園の跡地がありました。こんな所にしか建てる場所がなかったのでしょうね…。
他にも住居スペースには、当時の新聞や家財道具などがそのまま残っていました。建物が崩壊する可能性が高い為、立ち入り禁止区域に指定されているそうです。
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まとめ
軍艦島には、波が50cm以上あると上陸できないので、行きたくても行けない人が多いそうです。ただ、廃墟の風化は年々進んでいるので、このまま風化し続けると危険とみなされ、島自体が立ち入り禁止になる恐れもあるそうです。行きたい!と思っている方は、早めに行っておくのが良いかもしれませんね!