エタノールは学生の時に理科の実験でよく耳にしましたよね。アルコールは、お酒を飲むことを「アルコールを飲む」と言いますよね。成分としては同じような気もしますが、使う場面が違うような気もします。そこで今回はエタノールとアルコールの違いについてお話しします。
エタノールとアルコールの違いとは?
【エタノール】
エタノールとは、エチルアルコールの国際化学命名法での呼び名で、アルコールの一種です。日本語では「酒精」と呼ばれています。そしてアルコール類の中では、唯一、飲んでもあまり害がありません。この性質から、学校の実験などでも用いられていたのですね。ただ、もちろん飲みすぎると危険なので気を付けてください。
そしてエタノールの性質として一番大きいのが消毒作用です。エタノールには、細菌を殺す性質があるため、消毒をする時によく使われます。そして、水にも油にも混ざりやすい性質もあるため、様々な汚れを除去する効果も高く、お掃除の際にもよく使われます。特にキッチン周りの油汚れを落とすときには大活躍です!また、カビ防止にも効果があります。
【アルコール】
アルコールは、大きい意味では、エタノールを含むアルコール類の総称です。アルコール類には、エタノールの他、メタノールやイソプレパノールなどが含まれますが、一般的にはエタノールを指していることが多いです。
エタノールは上で説明したので、メタノールとは、毒物劇薬取締法で劇物として指定されています。体に害があるので絶対に飲まないでください。イソプレパノールは、強力な消毒剤などに使われています。
よって、エタノールはアルコールの一種であり、アルコールは、エタノールを含むアルコール類の総称になります。
消毒用エタノールのアルコール度数はどのくらい?
エタノールには、無水エタノールと消毒用エタノールがあります。
無水エタノール…99.5vol%
消毒用エタノール…76.9~81.4vol%
アルコール濃度は上記のとおりです。濃度が違うと性質も変わってくるので、同時に用途も変わってきます。無水エタノールは水分をほぼ含まない純度の高いエタノールです。洗浄能力が高く、あっという間に蒸発してしまう性質から、水拭きが出来ない電化製品などの掃除に適しています。刺激が強く、肌に直接触れると水分を奪ってしまうこともあるので、取り扱いには少し気を遣ってください。
消毒用エタノールは、無水エタノールよりもアルコール濃度が低いので、その場に留まってアルコールの効果を発揮する為、その名の通り「消毒」に適しています。病院などでもよく使われています。
エタノールを市販のアルコール飲料に混ぜても大丈夫?
エタノールは害の少ないアルコールであるというお話をしましたが、市販されているアルコールの度数を強めたい時に、エタノールを入れても良いのか…という疑問が浮かびました。
エタノールは原料から「合成アルコール」と「発酵アルコール」の二種類に分けられます。合成アルコールは、石油や石灰などの化学工業原料から出来ていて、化粧水やシャンプー、医薬品などの原料として幅広く使われています。
発酵アルコールは、糖質やでんぷん質を発酵させて作られています。主に、酒類や食品防腐剤などに利用されています。市販されているエタノールは発酵エタノールが多く、口に入れても問題ないと言われていますが、本来、飲酒用に作られているわけではありません。
また、純粋にエタノールだけなら問題ありませんが、市販されているエタノールには添加物が入っていることが多いです。この添加物は口に入れてしまうと大変危険なものが多いです。ですので、安易な気持ちや興味本位でエタノールを飲むことはやめましょう。
まとめ
エタノールにはエタノールの用途があり、お酒にはお酒の用途があります。ひとえにアルコールと言っても、様々な種類と性質があるので、それぞれの使い方を知っておくのが大切だと思います。