ここ数年、北海道の夏の釣りとしてブームになっているブリ。実はマグロやカツオの仲間でもあったブリは、回遊魚に分類されていました。北海道日本海側では、初夏と晩夏の2回、ブリが釣れる季節があります。今回は、北海道日本海側でブリが釣れる理由と、季節によって異なるブリの楽しみ方についてお話しさせていただきますね。
北海道日本海側でブリが釣れる時期とポイント
北海道日本海側でブリが釣れる時期
上りガツオと戻りガツオで知られる四国沖のカツオ。カツオは春に黒潮に乗り太平洋を北へ向かい、秋に南へ戻ることで知られています。実は、魚の分類ではアジ科に分類されるブリも同じように季節によって回遊しながら成長しています。
日本海のブリは、3月から4月頃に九州沖に姿を現します。その後日本列島に沿うように北へ向かい、6月頃に北海道沿岸に近づいてきます。
北海道の沖合を北上したブリは、夏の終わりには暖かい南へ引き返していきます。北海道の日本海側でブリが釣れる理由は、北へ向かう6月頃のブリと南へ帰る9月頃のブリの両方が近づいてくるためです。
北海道日本海側でブリが釣れるポイント
日本列島に沿うように北上と南下を繰り返すブリ。回遊魚には限らないのですが、海に出た半島は潮の流れとぶつかるため、魚が多く集まる場所でもあります。北海道の積丹も日本海に突き出た半島で、南から北へ向かう潮の流れがぶつかるポイントでもあります。
さらに、積丹半島の沖合は急に水深が深くなっており、船釣りも盛んな釣り名ポイントです。積丹半島をさらに南へ向かうと、寿都町や瀬棚町、島牧村と漁業が古くから盛んな場所があります。
船釣りが一大ブームを巻き起こした数十年前は、一泊で釣りもできる宿が多くありました。今では、お父さんだけの休日の楽しみではなく夫婦や家族で釣りが楽しめるポイントになっていますよ。
積丹半島でブリが釣れるようになった理由
積丹半島では最近ブリのジギング、ショアからのルアーフィッシングが盛んですが、盛り上がりが始まったのは4~5年前からと新しい釣りでもあります。それまででも、マスやホッケを狙う釣りで「たまたま」釣れることはあったようです。
ここ数年でブリが釣れるようになった理由は、おそらく船釣りが盛んだった頃の釣り方と今の釣り方が変わったためではないかと思われます。
当時、積丹半島沖で盛んに行われていた船釣りは、活き餌やバケといった重りを使った釣りです。
バケは今のジギングに近い釣り方のため、ブリが間違って釣れることもあったのでしょう。
その後、重たい「ジク」と呼ばれるルアーを上下に動かすジギングが広まったことで、ブリを「狙う」ことができるようになったのではないでしょうか。
「上り」と「戻り」どちらが美味しいのか?
春に北へ向かう「上り」のブリ、夏の終わりには暖かい南へ帰る「戻り」のブリ、どちらが美味しいのでしょう?
私はどちらもおいしいと思いますよ。きっと好みによって分かれるのでは?と思います。
「上り」のブリは、餌を取りながら暖かい海から上がって間もないブリです。激しい運動と冷たい海水で身が引き締まって、淡白な赤身はさっぱりとしたお刺身が好みの方に向いています。
「戻り」のブリは、北の海でエサをたくさん食べて丸々と太っています。脂肪分が増えて、はらみなどはトロのように濃厚。コッテリしたお刺身がお好きな方、頭や首の周りを焼き物にする方はこちらが好みのはずです。
まとめ
北海道の日本海側の初夏と晩夏の味覚のブリ。ブリの通り道でとある日本海に突き出た積丹半島は、北海道内でも有数のブリの釣り場です。釣りをされない方でも、積丹半島を訪れると、美味しい魚介類を楽しむことができますよ。