寒い季節に起こりやすい寒冷蕁麻疹。どんなときに症状が出るのでしょうか。対処方法はどうすればよいのでしょうか。
寒冷蕁麻疹とは
寒冷蕁麻疹は皮膚が冷えることが原因で起こる蕁麻疹です。急激な温度変化により刺激を受け免疫機能が働き化学物質が放出されることで起こります。この化学物質はヒスタミンと呼ばれるもので、血管拡張、血圧降下作用を持ち、胃や腸や子宮等の平滑筋を収縮させる作用があります。ヒスタミンは、なんらかの刺激により過剰に遊離するとアレルギー症状を起こします。
例えば体温よりも低い温度の物質に触れたり、温まった皮膚が急に冷やされたりするとヒスタミンが放出されます。放出されたヒスタミンにより、かゆみが起こり同時に皮膚の血管を拡張させます。このことにより血液中の液体成分が血管外に漏れ出し、皮膚を赤く盛り上げ蕁麻疹となって現れます。
寒冷蕁麻疹はどんな時に症状がでる?
寒冷蕁麻疹は寒さや冷たさで急に身体が冷えたときの温度差が刺激となって蕁麻疹が起きます。では、どのようなときに出るのでしょうか。
・寒い季節に外を歩いたとき
・お風呂上りで脱衣所が寒いとき
・暖房が効いた部屋から、はだしで冷たい床を歩いたとき
・クーラーやドライヤーの冷気が当たったとき
・冷たい食べ物を食べたときや冷たい飲み物を飲んだとき
・汗をかいて冷えたとき
特に症状が出やすいのがお風呂上りです。身体が温まっているときに急激に冷えるので刺激が強くなるためです。汗をかいたり身体がぬれている状態は体温を奪われやすいので症状が出やすくなります。
<h3寒冷蕁麻疹の対処方法>
ただの蕁麻疹は冷やすと治まる場合が多いですが、寒冷蕁麻疹の場合は冷やすと悪化してしまうことがあります。寒冷蕁麻疹は温度に対する刺激が原因なので、体温に近い温度にすることで肌への刺激が緩和されます。ただし、温めすぎすると汗をかいてしまうので逆効果です。
特に症状が出やすいのが入浴後ですが、お風呂上りに脱衣所との温度差があることが原因ですので、脱衣所を暖かくしておくと刺激を与えずに済みます。
冬場の運動も温度差が激しく汗をかいた後に症状が出やすくなります。クールダウンしながら体温調節をしていきます。
また、肌が乾燥しやすい人は寒冷蕁麻疹を起こしやすいので注意が必要です。肌の保湿を行い、偏食やストレス、紫外線に気をつけます。
なかなか症状が改善されない場合は、投薬で抑える方法もあります。ヒスタミンの放出を抑制する効果がある抗ヒスタミンを投与することでかゆみや赤みなどの症状を抑えることができます。
ただし、抗ヒスタミン剤は眠気や口のかわきなどの副作用もあり、風邪薬や鼻炎薬などと併用することで血中濃度が高くなったり肝臓や心臓の疾患を持っている場合、不整脈を起こしたりするので服用の際は充分に注意します。
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まとめ
・寒冷蕁麻疹は皮膚が冷えることが原因で起こる蕁麻疹。
・寒さや冷たさで急に身体が冷えたときの温度差が刺激となって蕁麻疹が起きます。
特に症状が出やすいのがお風呂上りです。
・寒冷蕁麻疹は温度に対する刺激が原因なので、体温に近い温度にすることで肌への刺激を緩和するようにします。
急に発疹が出て驚く方も多い寒冷蕁麻疹ですが、原因がわかれば対処することができます。汗をかいたとき、肌が乾燥するときなどに気をつけることを覚えておいて慌てることのないようにします。