キャンプに持って行くアウトドアナイフは、どのようなタイプが適しているでしょうか。また、ナイフを携帯するときに気をつけたい銃刀法についても知っておく必要があります。今回は、アウトドアに適したナイフとナイフに関する銃刀法についてお話します。
ナイフが危ないのではない
最近では少なくなりましたが、殺傷事件のたびにサバイバルナイフやダガーナイフが使われたと報道されていましたね。いつしかナイフは危険な道具と思われるようになりました。
確かにハリウッド映画でも大きな鋭いナイフで戦うシーンもあります。ですが、危険なのは「殺傷事件に使った人」であってナイフではないはずです。アウトドアで使うナイフより、出刃包丁のほうが危ない人が使えば刃渡りも鋭さもあって、より危険になりますしね。
銃刀法とは
- 銃刀法でのナイフの携帯
「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない」
違反した者には、第31条の18第3号により2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる。
(引用 銃刀法22条 31条)
つまり銃刀法では、ちゃんとした理由もなく刃渡り6センチメートル以上の刃物を持ち歩いてはいけないことになっています。
- 軽犯罪でのナイフの携帯
「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」について、拘留または科料に処せられる。
(引用 軽犯罪法第1条第2号)
もし刃物が6センチメートル以下であっても、軽犯罪法でもやはりちゃんとした理由もなく刃物を携帯してはいけないことになっています。
この正当な理由の中にはアウトドアやキャンプ、登山やハイキングも含まれています。「万一のため」「護身用」など、人を傷つける可能性のある理由はもちろん認められていません。
アウトドアで実用的なナイフと持ち歩きの注意
大事な法律のお話をさせていただいたところで、実用的なナイフはどんなものかと持ち歩きの注意のお話をさせていただきます。アウトドアでナイフが役に立つ場面は次の6つを上げてみました。
①食材を切る
②荷物やちょっとしたもの、ロープなどを切る
③枝や木を加工する
④薪を割る
⑤穴を掘る
⑥金槌の代わりに使う
- 設備の整ったキャンプ場でのキャンプ
設備の整ったキャンプ場であれば、道具のレンタルもあり簡単にテントを張れる場所になっています。ここでは、①食材を切る②荷物やちょっとしたものロープなどを切る③枝や木を加工することができれば大丈夫ですから、刃渡り3~7センチメートルの小型のシースナイフ(鞘に収めるタイプ)かフォールディングナイフがあれば十分です。
- 設備のない場所でのキャンプ
設備のない場所では先ほどの①②③に加えて、④薪を割る⑤穴を掘る⑥金槌の代わりに使うときにナイフが役に立ちます。頑丈さが必要な作業もあるため刃渡り10センチメートル程度のシースナイフが必要でしょう。
- 魚釣りも予定しているキャンプ
さらにキャンプで釣りを予定している場面には①~⑥に加えて魚を捌く必要があります。魚を捌くとナイフに匂いが残り洗剤でよく洗わないと細かな部分の汚れは落ちませんよね。そこで手入れの簡単な果物ナイフ程度のシースナイフがあると便利ですよ。
- 持ち歩きの注意
先ほどの銃刀法や軽犯罪法では、正当な理由であればナイフを持ち歩けることになっています。キャンプ場の中や釣り場では、ポケットやベルトにさして持ち歩くこともできますが移動中の車では他の荷物と一緒にしまっておくことが大切です。
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まとめ
ナイフにまつわるお話をさせていただいきました。ナイフは役に立つものであって、危険なものではありません。法律を守り、目的にあったナイフを使いアウトドアで正しく使用してください。