離岸流が原因で水難事故につながることがあります。では、この離岸流とはいったい何でしょうか。また、離岸流が発生しやすい場所はどんなところでしょうか。
海で溺れる理由
海水浴シーズンが来ると水難事故のニュースが増えてきますね。泳げない方が海に入った場合を除いて、足のつかない場所でも泳げる方でも溺れることは当たり前のように起こります。
その原因はいくつかあります。
- 体調が万全ではなく、足がつる不整脈が起こる
- 飲酒をして海に入る
- 波に巻き込まれる
- 離岸流に巻き込まれる
体調が万全ではなく、海の中で足がつったり不整脈が起こるとその場にいることができず、足がつく場所でも溺れてしまいます。飲酒をした場合も体力も判断力も下がってしまうので当然溺れやすくなりますね。
ここでは、離岸流についてお話させていただきます。
離岸流(りがんりゅう)を知っていますか
離岸流という言葉を聞いたことはありますか。海水浴シーズンでは、水難事故のニュースで取り上げられることもある言葉です。
離岸流は名前の通り、「岸を離れる流れ」です。海水浴場のビーチでは沖から岸に向かって波が打ち付けられていますよね。波は水の塊です。
その水の塊はずっと岸に溜まっていくわけでもなく、真っ直ぐ帰っていくわけでもありません。岸に打ち付けられた波は岸と平行に緩やかに流れていきます。そして、岸に変化のある場所に溜まり沖に向かって垂直に流れ始めます。この沖に向かう流れが離岸流です。
その速さは急流の川の流れと同じ程度で、オリンピックの競泳選手でも逆らって岸に向かうことが難しいと言われています。
離岸流が発生しやすい場所
離岸流はまず、巻き込まれないことが大切です。そのためには離岸流が発生しやすい場所を覚えておく必要があります。
ビーチはよく見てみると海に対して凸凹した地形になっています。
離岸流の起こりやすい場所は次の通りです。
- 沖に向かって突き出た場所
- 岸側に深くえぐれている場所
- 沖にテトラポットのような障害物のある場所
- 沖に突き出た堤防の脇
このような場所の近くでは泳がないことが大切です。
離岸流に巻き込まれたときの対処法
そして、万一離岸流に巻き込まれて沖に流されてしまった場合、そのまま岸に向かっては泳ぐことはできません。オリンピック選手ですら難しい流れですので。
もし浮き輪やボディボードなど浮くものがあるときには何もせず浮いていて救助を待ちましょう。助けが望めないときは、岸に向かって斜めに泳ぐことで離岸流から抜け出すこともできます。
ただし、長い距離を泳ぐ必要があるので、体力のある方か泳ぎに自信のある方にのみお勧めします。
まとめ
これからの海水浴シーズンでは、離岸流の起こりやすい場所には近づかないように、そして小さな子どもだけで海の中に入らないようにすることで、悲惨な水難事故を防ぐことができます。もちろん大人であっても、体調の悪いときは決して海に入らないようにすることが大切です。