レッサーパンダといえば、2本足で立つ姿が愛らしい”風太くん”。アライグマといえば、アニメの”ラスカル”が有名ですよね。しかしレッサーパンダとアライグマの見た目は、どうもよく似ていて、どっちがどっちかわからない…なんて方も多いと思います。今回は、そんなレッサーパンダとアライグマの違いについてお話していきます。
アライグマとレッサーパンダの見分け方
見た目はとっても似ていますが、決定的に違うところがいくつかあります。
① 顔の模様
レッサーパンダは頬に白い模様が入っているのに対して、アライグマは太い眉毛のように白い模様が入っていて、目の下には黒い模様が入っています。正面からお顔を見てみるとわかりやすいです。
② 体毛の色
レッサーパンダは赤茶色の鮮やかな色をしていますが、アライグマは灰色や灰色がかった茶色の体毛をしています。
見た目以外の違いは、
【レッサーパンダ】
- レッサーパンダ科レッサーパンダ属の哺乳類
- 夜行性(夏は昼間も活動)で昼は木の上で寝ていることが多く、木登りが得意
- 主に竹やタケノコを食べますが、果物や昆虫、小型の哺乳類も食べる雑食
- 縄張り意識があり、犬のようにマーキングする
- 絶滅危惧種に分類される
【アライグマ】
- アライグマ科アライグマ属の哺乳類
- 視覚があまりよくない
- ザリガニや昆虫、カエルなどを食べる雑食(レッサーパンダが草食に近い雑食で、アライグマが肉食に近い雑食です)
- 夜行性で、昼間はほかの動物がほった穴や家の物陰で過ごす
- 特定外来生物に指定され、輸入や販売、飼育などが禁止(研究目的は例外)
レッサーパンダとワシントン条約
レッサーパンダは現在、絶滅危惧種に分類されています。そのため、希少な動植物の国際取引を規制するワシントン条約でも、商業的な利用は禁止されています。ワシントン条約では、最も高いランクの「附属書I」に掲載されていて、商業的な取引は国際的に禁止されています。
また、日本国内でも種の保存法(正式名称:絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)という法律で、厳格に保護され、その利用に関しては法律に規定された範囲でなくてはなりません。
日本各地で飼育されているレッサーパンダは、ワシントン条約や種の保存法の規定にそって扱われます。国内の動物園同士で移動させる場合は、種の保存法第13条の規定にしたがって、飼育繁殖などの学術研究目的を環境省に申請し、許可を得なくてはなりません。
レッサーパンダは何を食べるのか?
レッサーパンダは雑食性の動物で、野生では様々なものを食べて暮らしています。手に入る食べ物は季節によって違いますが、基本的には以下のような食べ物を食べています。
- 竹
- 笹
- タケノコ
- ネズミなどの小型哺乳類
- 昆虫の卵
- 果物や木の実
- 野菜
- ドッグフードやキャットフード
なかでも果物はレッサーパンダの大好物で、動物園ではおやつとしてリンゴなどを与えているところも多くあるそうです。果物は、笹や竹よりも消化しやすいので子供のレッサーパンダにも安心して与えることができます。生野菜なども食べることは出来ますが、果物に比べると消化しにくいので、動物園などの飼育園では、野菜は茹でたものを与えることが多いそうです。
まとめ
“ラスカル”の大人気が影響して、アライグマが大量に輸入され、ペットとして飼育する家庭が増えました。でも、意外と凶暴で、家庭では手に負えなくなり、捨ててしまう家庭や逃がしてしまう家庭が増え、野生のアライグマが増え、畑などを荒らして特定外来種にまでなってしまったと言います。
そして”ラスカル”の原作はアライグマではなく、実はレッサーパンダだったそうですよ。逆にレッサーパンダは、日本が世界一の飼育数を誇り、絶滅危惧種に設定されながらも、繁殖に貢献している動物です。
見た目は似ていても、それぞれの特徴は異なっているので、知っておいてくださいね!