名称が似ている千歳空港と新千歳空港にはどんな違いがあるのでしょうか。
千歳空港と新千歳空港の違いとは
【千歳空港】
現在の航空自衛隊千歳基地のこと。新千歳空港が開業するまでは民間との共用飛行場として一般に千歳空港と呼ばれていました。
【新千歳空港】
北海道千歳市と苫小牧市にまたがる空港。北海道の空の玄関口として機能している民間用の空港です。
実は千歳空港と新千歳空港は隣同士にあります。そしてどちらも同じ管制官が管制していて、通路で滑走路がつながっている空港です。
それでは、二つの空港についてもっと詳しくみていきましょう。
千歳空港とは
Original Update by regvn
- 千歳空港の歴史
新千歳空港ではなく千歳空港と呼ばれる空港があるのをご存知でしょうか。厳密には、現在は千歳空港とは呼ばれていません。
かつて千歳空港と呼ばれていた空港は、民間用と自衛隊用で1つの滑走路を使用していました。冷戦時代でもありましたから、日本に接近するロシア(ソ連)や中国の軍用機に対して、スクランブル(緊急発進)の回数も増加していました。
当時の日本と対立していた国は、現在のロシアであったため、ロシアへのスクランブルは北海道方面の航空自衛隊の管轄にありました。さらに当時は70~80年代にかけて、民間用飛行機の利用も増えていました。
増え続けるスクランブルと民間用飛行機の利用に追いつかず、ついに民間用の空港を建設することとなりました。それが、現在の新千歳空港、そして千歳空港は現在の航空自衛隊千歳基地になったわけです。
- 千歳空港の現在
現在も航空自衛隊千歳基地として、現役で活躍している千歳空港。防衛の他にも、政府専用機はここで整備、運用されています。また、新千歳空港の管制は航空自衛隊が担当しています。
新千歳空港とは
- 新千歳空港の歴史
新千歳空港(札幌)といえば、飛行機を利用する方の多くに知られた北海道の玄関口ですね。現在の新千歳空港は、1988年のバブル景気の真っ盛りに開港しました。当時、羽田空港(東京)と千歳空港(札幌)の増便が止まらず、自衛隊と共用であった滑走路を民間用と自衛隊用で分けるために新千歳空港が作られました。
- 新千歳空港の現在
2017年現在、2本の民間用滑走路を備えた新千歳空港は24時間の離着陸が可能。利用者数は2015年時点で3000万人を越えており、温泉施設とホテルを併設したターミナルビルはアミューズメント施設のように地域でも愛されています。
さて、旅行サイトや航空会社のサイトでは、新千歳空港(札幌)と表記されることがほとんどです。「札幌の近くにある、千歳という空港」と思われてしまいがちですが、実はかなり遠く離れています。
札幌と表記がありますが、札幌の隣町北広島市、さらに隣町恵庭市を越えた先の千歳市から苫小牧市にかけてまたがる地域にあります。札幌市の中心部から52km、夏場は高速道路を利用して1時間程度。JRを利用される場合は、札幌駅までおおよそ1時間20分です。
千歳空港に着陸することはないの?
さて、新千歳空港、千歳空港(航空自衛隊千歳基地)のお話をさせていただいたところで、今回最大のテーマです。それは、「千歳空港に着陸することはないのか」です。
その結論は、着陸することもあります。新千歳空港と千歳空港は隣同士に並んでいて、管制は航空自衛隊千歳基地が担当しています。滑走路は新千歳空港側2本、千歳空港側2本、そして最大の特徴はこの滑走路はつながっています。
実は、名前と使用できる滑走路が違うだけで同じ場所にあり、同じ管制官が管制しています。実質的には、同じ空港といえなくもありません。
「自衛隊の基地に着陸できるの?」と思われるかもしれません。航空自衛隊千歳基地を使用する場合、例えば新千歳空港の滑走路の除雪や凍結の場合には、航空自衛隊千歳基地側の滑走路を利用することは何度もあったようです。
関連記事
北海道の大晦日。自由な過ごし方と豪華なおせち料理
札幌で年末年始を過ごす人必見!初詣におすすめの神社
北海道のお土産は木彫りの熊だけじゃない
北海道土産のまりもって偽物なの?その正体とは?
北海道のお土産を海鮮にするなら何がいい?
まとめ
北海道に住んでいても、いまいちわかりづらい新千歳空港と千歳空港。新千歳空港は1988年に完成した、民間用の空港、千歳空港は以前の自衛隊と共用で使われていた空港でした。
現在は、航空自衛隊千歳基地として防衛と政府専用機の整備を担っている千歳空港ですが、実は隣同士にあります。そしてどちらも同じ管制官が管制していて、通路で滑走路がつながっている空港です。
千歳空港と呼ばれていた航空自衛隊千歳基地に着陸することは、何かトラブルの場合に限られてしまいますが、北海道へ飛行機で訪れる方は、経験されることもあるかもしれませんね。